「小さな瓶やプラケースで、エビだけをゆったり育てたい…」
そんな人に向けて、**フィルターなし(無ろ過)**でヤマトヌマエビ・ミナミヌマエビを育てる方法をわかりやすく解説します。フィルターがないぶん、水の浄化は水草と底砂の力に頼るスタイルです。適切な準備をすれば、手間が少なく見た目も美しい「自然な小さなアクアリウム」を楽しめます。
フィルターなし飼育は「水質の安定」がすべて
エビは魚より水質悪化に敏感です。
フィルターがないと水が汚れやすいため、水をきれいに保つ仕組みを先につくっておく必要があります。
そのために重要なのは次の3つ。
- 吸着系ソイルを使う
- 浄化作用の強い水草を入れる
- エサをあげすぎない
それぞれ詳しく説明します。
底砂は「吸着系ソイル」がおすすめ
なぜ吸着系ソイルなのか?
- 水中のアンモニアや有害物質を吸着して水を安定させてくれる
- エビに優しい弱酸性~中性の水質に整いやすい
- 小さな無ろ過容器でも水質が大きく崩れにくい
量の目安
底に 1.5~3cm 程度軽く敷く程度でOK。
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水草は「浄化力」「管理の簡単さ」で選ぶ
基本は「陰性水草」
光量が少なくても育ちやすく、手間が少ないタイプ。
例:
- ウィローモス
- アヌビアス・ナナ
- ミクロソリウム
→ 浮かべたり、石に巻いたりするだけでOK。コケも生えにくい。
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水をきれいにしてくれる「浄化系水草」
成長が早く、栄養をどんどん吸ってくれるため、水質が安定しやすい。
例:
- マツモ
- アナカリス
- カボンバ
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水面に浮かべる「浮草」も強い味方
浮草は光合成が強く、余分な養分を吸収してくれる。
例:
- サルビニア・ククラータ
- アマゾンフロッグビット
- ホテイアオイ
→ 特に小さな容器では「浮草が元気かどうか」で水質を判断できるほど重要。
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エサは極少量でOK【コケが主食】
エビの主食は自然に生えるコケやバイオフィルム(微生物)。
エサを入れすぎると、一気に水が汚れて全滅の原因になります。
エサの与え方
- 2~3日に1回、極少量
- 食べ残しが出たらすぐ取り除く
迷ったら「いれない」が正解です。
立ち上げはゆっくり。焦らないのが成功のコツ
- 容器にソイルと水草を配置
- 水道水を入れ、カルキ抜きをする
- そのまま1週間放置
→ この期間に「水草が馴染む・微生物が増える・水質が安定する」
ここが一番大切!
立ち上げ直後にエビを入れると、ほぼ失敗します。
入れるエビの数は少なめに
無ろ過での推奨は次の通り。
| 容器サイズ | ヤマトヌマエビ | ミナミヌマエビ |
|---|---|---|
| 1L(小瓶など) | 0匹(非推奨) | 3~5匹 |
| 3~5L | 1~2匹 | 5~15匹 |
| 10L | 2~4匹 | 15~30匹 |
ヤマトヌマエビは体が大きく、小さな容器には不向きです。
無ろ過ならミナミヌマエビがおすすめ。
水換えは「少量・ゆっくり」が基本
- 1~2週間に1回
- 全体の 10~20% を交換
- 水温差・水質差があると脱皮不全やショック死につながる
観察しながら少しずつ、がポイントです。
まとめ
- 吸着系ソイルで水を安定させる
- 水草をたっぷり入れて自然のろ過をつくる
- エサはできるだけ少なく
- 入れる前に1週間は水を育てる
- ヤマトよりもミナミが向いている
フィルターなし飼育は、環境を「つくって育てる楽しさ」が味わえるスタイルです。
ゆっくり、変化を楽しみながら育ててみてください。
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