水槽の水がにごったり、魚が元気をなくしたり…。
その原因の多くは「アンモニア・亜硝酸・硝酸塩」という目に見えない物質です。これらは魚が生活するうえで自然に発生するもので、放っておくと水質悪化につながります。今回はその仕組みと、かんたんな対策をわかりやすく紹介します。
🧪 アンモニア・亜硝酸・硝酸塩とは?
アンモニア(NH₃)
- 魚のフンやエサの食べ残しから発生。
- とても有害で、少しでもたまると魚が弱ってしまう原因になります。
亜硝酸(NO₂⁻)
- アンモニアが分解される途中でできる物質。
- こちらも有害で、魚の血液中の酸素運びを邪魔します。
硝酸塩(NO₃⁻)
- 亜硝酸がさらに分解されてできる、比較的安全な物質。
- ただし、たまりすぎるとコケの発生やpHの低下につながります。
🔄 水槽の中で起こる「窒素サイクル」
魚のフンやエサの残りが分解されていく流れは、次のようになります。
魚のフン・エサの残り → アンモニア → 亜硝酸 → 硝酸塩
この流れを「窒素サイクル」といいます。
実は、水槽の中では目に見えないバクテリアが、このサイクルを回してくれています。
🧬 バクテリアのはたらきを簡単に言うと
水槽の中には2種類のバクテリアがいて、それぞれ役割があります。
- アンモニアを分解してくれるバクテリア
- 亜硝酸を分解してくれるバクテリア
この2つが協力することで、魚にとって有害な物質をどんどん減らしてくれるのです。
ただし、最後の「硝酸塩」だけは分解が難しく、水換えで外に出す必要があります。
水質をきれいに保つ5つの方法
① 定期的な水換え
一番かんたんで効果的!
- 目安は週に1回、全体の1/3程度。
- 溜まった硝酸塩を外に出し、新しい水でリセットできます。
② 水草を育てる
- 水草は硝酸塩を栄養として吸収します。
- 「アナカリス」「マツモ」「ウィローモス」などは育てやすくおすすめ。
③ ろ過フィルターを正しく使う
- フィルターはバクテリアのすみか。
- 掃除のしすぎはNG! バクテリアが減って水質が悪化します。
- 掃除するときは水道水ではなく、水槽の水で軽くすすぐのがコツです。
④ 水槽の底をときどき掃除
- 底にたまったフンや食べ残しを吸い出すだけでOK。
- これを放置するとアンモニアの発生源になります。
⑤ バクテリア剤をうまく使う
- 水槽を立ち上げたばかりのときや、水換え後に少し足してあげると安心。
- バクテリアの働きをサポートしてくれます。
🌱 水質悪化を防ぐコツ
- 魚の数は水槽の大きさに合った数にする
- エサは1分以内に食べきる量を目安に
- ろ過フィルターは24時間つけっぱなし
- 水質チェックを試薬でときどき確認
💡 まとめ
- 魚が生活するだけで「アンモニア → 亜硝酸 → 硝酸塩」は自然に発生する
- 最後の硝酸塩は、水換えや水草の力で取り除く
- バクテリアと水草がうまく働く環境を整えることが、水質安定のカギ
きれいな水と元気な魚を保つには、
「水換え+水草+バクテリア」のバランスが大切です🌿