水槽の水質を語る上で必ず登場する「pH(ピーエイチ)」。
難しそうに感じる言葉ですが、ポイントさえ押さえればとてもシンプル。
この記事では、初心者が知っておくべきpHの基本から、実際の管理方法までをやさしくまとめました。
🌊 pH(ピーエイチ)とは?
pHとは、水の「酸性・中性・アルカリ性」を表す指標です。
- pH7:中性
- pH7より下:酸性(pH6.0など)
- pH7より上:アルカリ性(pH8.0など)
アクアリウムでは、魚が快適に暮らせる“水の性質”を知るための大事な数値です。
🌱 なぜpHが大事なの?
魚や水草には、それぞれ得意なpHの範囲(適正pH)があるためです。
人間も、急に気温が変わると体調を崩しやすいですよね。魚にとっては、pHが急に変わることが“気温急変”のようなもの。
魚への影響
- ストレスが増える
- 免疫力が落ちる
- 病気になりやすくなる
- 最悪、急死することも
水草やバクテリアへの影響
- 肥料吸収がうまくできない
- バクテリアが働けず、水質悪化の原因に
pHは**「水槽の健康度」**を示す重要な指標なのです。
🐟 一般的な熱帯魚の適正pH
初心者向け定番の熱帯魚は、ほとんどが弱酸性〜中性を好みます。
| 魚の種類 | 適正pHの目安 |
|---|---|
| ネオンテトラ / カージナルテトラ | pH 6.0〜7.0 |
| ラスボラ系 | pH 6.0〜7.0 |
| グッピー | pH 7.0〜7.5 |
| コリドラス | pH 6.0〜7.2 |
| ミナミヌマエビ | pH 6.5〜7.5 |
| ヤマトヌマエビ | pH 6.5〜7.5 |
※水槽の環境に慣れると多少の幅は許容します。
🧪 pH測定はどうやってするの?
pHの確認方法はいくつかあります。
▼ 初心者におすすめ
- 試験紙(最も手軽)
→ 色で判定するだけ。コスパも良い。
▼ より正確に知りたい場合
- 液体試薬(定番)
- pHメーター(本格派)
水換えの前後や、何か変化があった時に測るとトラブルを早く察知できます。
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💡 pHはなぜ変化するの?
水槽では、時間とともにpHは変動します。
主な原因
- バクテリア活動により酸性に傾く
- 底砂(ソイル・砂・サンゴ砂)の影響
- 水換えによる水道水pHの混ざり
- 二酸化炭素(CO₂)の溶け込み
- 水草の光合成量の変化
特に初心者の水槽では、pH降下がゆっくり進むことが多いです。
🛠 pHが合わないときの安全な調整方法
pHを急に変えるのは危険です。
水槽の魚は「急激なpH変化」に弱いため、ゆっくり調整が鉄則。
▼ pHを下げたい(酸性にしたい)
- ソイルを使う
- 流木を入れる
- ピートモスを使用
- CO₂添加を増やす(慎重に)
▼ pHを上げたい(アルカリ性にしたい)
- サンゴ砂を入れる
- 換水量を少し増やす
- カルキ抜き剤の種類を見直す
▼ 絶対に避けたいこと
- 「pH調整剤」を大量に入れて一気に変える
→ 急変は最も危険!
🔰 初心者が必ず守るべきpH管理のコツ
- pH変化は「ゆっくり」が正解
- 水換え時にpHが大きく変わらないよう注意
- 底床やレイアウト素材の性質を知る
- 定期的に測定して変化の傾向を掴む
- 魚が元気なら、無理に調整しない
実は、数値にとらわれ過ぎないことも大事です。
安定していれば多少理想値と違っていても魚は元気に育ちます。
まとめ:pHは「正しく恐れる」水質指標
pHは難しいようで、実は**“変えすぎない”のが一番うまくいくコツ**。
初心者のうちは、
- 大きく動かさない
- ゆっくり調整する
- 定期的に測る
これだけでOKです!
水質管理の基本を知れば、魚も水草もグッと元気になりますよ。