水槽を眺めていると、魚が水面で口をパクパクしていることがあります。
「酸素が足りないのかな?」と思う方が多いですが、実はそれだけではありません。
ここでは、主な原因と正しい対策を初心者にもわかりやすく紹介します。
魚が水面でパクパクする主な原因
酸素不足(もっとも多い原因)
最も多い原因は水中の酸素濃度の低下です。
以下のような状況で起こりやすくなります。
- 水温が高く、酸素が溶けにくい
- 過密飼育で魚の数が多すぎる
- エアレーションやフィルターの水流が弱い
- 水面が油膜で覆われている
ポイント: 水面が静かすぎると酸素交換が行われにくくなります。
水質の悪化
水換えを怠ると、アンモニアや亜硝酸塩が蓄積して魚が呼吸しづらくなります。
水質悪化は酸素不足と似た行動を引き起こします。
- 魚が水面でパクパクする
- 体色がくすむ、動きが鈍くなる
- 底に沈んでじっとする時間が増える
対策: 週1回、全体の3分の1程度の換水を習慣にしましょう。また、水草を入れることで水中のアンモニアや硝酸塩を吸収し、水質の安定にもつながります。見た目が美しくなるだけでなく、魚にとっても快適な環境づくりに役立ちます。
水温の上昇
夏場などで水温が28℃を超えると、溶存酸素が一気に減ります。
また、魚の代謝が上がって酸素消費量も増えるため、結果的に酸欠状態になります。
対策:
- 扇風機や冷却ファンで水温を下げる
- エアレーションを強化する
- 直射日光が当たらない場所に設置
病気やエラの異常
エラに寄生虫や炎症がある場合も、水面での呼吸が見られます。
例えば「エラ病」や「白点病」の初期症状として出ることもあります。
チェックポイント:
- エラを大きく開閉している
- 片方のエラしか動かしていない
- 体表やヒレに白い点がある
この場合は、酸素不足ではなく治療が必要です。
市販の薬浴剤(例:メチレンブルーなど)を使用しましょう。
魚が苦しそうなときの緊急対策
魚が今にも苦しそうなときは、まず以下を実行してください。
- エアーポンプを強める(または追加)
- 水面を揺らす(シャワーパイプの向きを上向きに)
- 30%ほど水換えを行う(水温差に注意)
- フィルターの詰まりを確認
- 照明やヒーターを一時的にOFFに(水温上昇を防ぐ)
これだけでも一時的に酸素濃度を改善できます。
根本的な対策と日常ケア
エアレーションや水流を見直す
- エアーポンプの泡量を増やす
- フィルターの出口を水面方向に向ける
- 水草が多い場合は夜間エアレーションをONに
夜間は水草が酸素を消費するため、注意が必要です。
定期的な水換えと掃除
- 週1回:3分の1の水を交換
- 2週に1回:底砂の汚れを吸い出す
- フィルター掃除は1~2ヶ月に1回
※すべて一度にやりすぎるとバクテリアが死滅するため、分けて行いましょう。
適切な飼育数を守る
魚を入れすぎると酸素もすぐに不足します。
目安としては、小型魚1cmあたり水1Lが理想的です。
まとめ:パクパクはSOSのサイン!
魚が水面でパクパクしているのは、「酸素が足りないよ!」というサインです。
しかし、原因は水質悪化や病気など複合的なことも多いので、まずは観察と基本管理を大切にしましょう。
- 水面の揺れを作る
- 定期的に水換えする
- 適正数を守る
- エアレーションを忘れない
これだけで、魚たちはずっと元気に泳いでくれます。