はじめに
アクアリウムで人気のコケ取り生体といえば、やっぱり「ヤマトヌマエビ」。
コケ掃除の名人として知られており、水槽を美しく保つ強い味方です。
でも、実際に飼ってみると「思ったより活発!」という声や、初心者さんが「こんなことも知っておけばよかった…」と感じるポイントも多い生き物です。
今回は、アクアリウム歴15年の筆者が実際に飼育して感じた経験も交えて、
ヤマトヌマエビを飼育するうえで初心者が知っておくとよい情報をまとめます。
ヤマトヌマエビはヒーターなしでもOK
ヤマトヌマエビは日本の河川にも住む淡水エビなので、熱帯魚のようにヒーターで水温を25℃以上に保つ必要はありません。むしろ高水温にはあまり強くなく、28℃を超えると弱ることもあります。
一般的な室内飼育なら無加温で十分。冬に室温が下がりすぎる場合だけ注意してあげましょう。
基本的に繁殖は難しい
ヤマトヌマエビは水槽内で卵を抱えますが、稚エビは海水(汽水)で成長する特殊なライフサイクルを持っています。そのため、普通の淡水水槽内では育たず、自然に消えてしまいます。
「勝手にどんどん増えて困る」といったことはないので、初心者にも安心して導入できます。
コケ取り能力は抜群!でも注意も必要
筆者の経験からも、ヤマトヌマエビは本当にコケ取り能力が高いと言えます。
水槽のガラスや水草の葉についた緑コケをせっせと食べてくれるので、導入するとコケに対する管理が楽になるのを実感します。ただし、コケが減りすぎるとエサが不足してしまいます。その場合は沈下性のタブレットフードや、ゆでたほうれん草などで補ってあげましょう。
ヒレの長い魚や稚魚には注意
ヤマトヌマエビはおとなしいイメージですが、実は意外と活動的で、時には肉食性を見せることもあります。
ヒレが大きくひらひらしたベタやグッピーのヒレを突っついて傷つけたり、グッピーやプラティの稚魚、ミナミヌマエビの稚エビなどを攻撃することもあります。
実際、筆者もミナミヌマエビの稚魚が襲われて数が減ったり、グッピーの稚魚を襲われた経験があります。小さい魚や稚魚を一緒に飼う場合は隠れ家を多めにしたり、別水槽で育てるのがおすすめです。
狭い環境だと物陰に隠れがち
ヤマトヌマエビは臆病な面もあり、単独飼育や水槽が狭いとずっと物陰に隠れてしまうことがあります。群れでいると活発にコケを食べ歩くようになるので、水槽サイズにもよりますが数匹まとめて入れるのが良いでしょう。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
飼育難易度 | ★☆☆☆☆(とても飼いやすい) |
適正水温 | 18℃~26℃(ヒーター不要、25℃目安) |
繁殖 | 基本的に不可能(稚エビは汽水が必要) |
性格 | 温和だが活発。時にヒレや稚魚を攻撃することも |
コケ取り能力 | 非常に高い |
混泳の相性 | ヒレの長い魚・稚魚とは注意。成魚の小型魚とは◎ |
隠れ家 | あると安心。複数飼育で活発になる |
食性 | 雑食(コケ・残餌・専用タブレットなど) |
平均寿命 | 約2年 |
ヤマトヌマエビはヒーターなしでOK、基本的に増えすぎる心配もなく、水槽のコケ掃除にも大活躍してくれる初心者にぴったりのエビです。
ただし、稚魚やヒレの長い魚と一緒にする場合は注意し、エサ不足や狭すぎる環境も避けてあげるとより健康に長生きしてくれます。
これからヤマトヌマエビを飼ってみようと思っている方は、ぜひ今回のポイントを参考に、楽しいアクアリウムライフを送ってくださいね。